不二家健康保険組合

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介護保険制度について

介護保険制度が生まれた背景 | 介護保険ってどんな制度? |
介護保険に加入するのは40歳以上の方です | 介護保険の利用者負担は1割です |
介護保険のサービスを利用するには要介護認定の申請を行います |
要介護度と介護サービスの例 | 介護サービス計画の例 |
施設サービスの一覧 | 在宅介護サービスの一覧 |

介護保険制度が生まれた背景

わたしたちはいま高齢社会のなかにあり、21世紀の半ばには3人に1人が高齢者という時代を迎えようとしています。
寝たきりや認知症の高齢者が増える一方で、介護する人も高齢になり、また働きに出る女性も増えるなど家族だけで介護することは難しくなっています。
介護は誰もが直面する問題になっています。そこで、介護を社会全体で支える「介護保険制度」が生まれました。

寝たきり・認知症などの高齢者が急増しています 介護者の50%以上が、
60歳以上です
介護者の8割近くが、
女性です
寝たきり・認知症などの高齢者が急増しています 介護者の50%以上が、 介護者の8割近くが、
(厚生労働省大臣官房統計情報部「平成13年国民生活基礎調査」)

介護保険ってどんな制度?

介護保険のねらい
  1. 介護を必要とする状態になっても、自立した生活ができるよう、高齢者の介護を社会全体で支えるしくみです。
  2. 身近なケアプラン作成事業者に相談すれば、これまで福祉と医療に分かれ、窓口も別々で利用しにくかった介護サービスを総合的に受けられる利用しやすいしくみです。
  3. 社会保険の仕組みにより、受けられる介護サービスと保険料との関係がわかりやすいしくみです。
介護保険のあらまし
  1. 介護保険の給付(サービス)を受けられるのは、「介護認定審査会]で「要介護・要支援」と判定された場合で、「要支援」の場合は、予防給付の対象となります。認定に不服があるときは、都道府県の介護保険審査会に申し立てることができます。
  2. 介護保険に加入するのは、40歳以上の人全員です。
  3. 65歳以上の人(第1号被保険者)常に介護を必要とする状態(要介護状態)や、介護予防(日常生活を営むのに支障がある状態の軽減または悪化予防)のために支援が必要な状態また日常生活に支障があるため支援が必要な状態(要支援状態)になった場合にサービスが受けられます。
  4. 40歳から64歳までの方(第2号被保険者)で末期がんや初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる病気により要介護状態や要支援状態になった場合にサービスが受けられます。
  5. 住んでいる市(区)町村で受けられる「地域密着型サービス」もあります。
  6. 要介護状態や要支援状態になるおそれのある人を対象とした介護予防サービス(地域支援事業)があります。

介護保険に加入するのは40歳以上の人全員です

40歳以上65歳未満の人(第2号被保険者=健保組合被保険者)の介護保険料は、給与および賞与からの健康保険料と合算して健保組合が徴収します。

  1. 保険料は給与や賞与等の額に応じて違ってきます。
  2. 保険料は給与および賞与等から天引きされます。
  3. 保険料は本人と事業主で負担します。

保険料は、社会保険診療報酬支払基金より示される介護納付金が納付できるように、介護保険料率が定率に設定され、給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に乗じて介護保険料が徴収されます。

65歳以上の人(第1号被保険者)の保険料は所得に応じた保険料となり、年金から天引きされます。年金が一定額に満たない年金受給者の人は、市町村に直接納付することとなります。
保険料以外の保険給付(サービス)に関するお問い合わせは、お住まいの市町村の介護保険担当窓口へしてください。

介護保険の利用者負担は原則1割です

サービスを利用した場合、かかった費用の原則1割(一定以上の所得者は2割、現役並みの所得相当の人は平成30年8月から3割)を利用者が負担します。
ただし、介護サービス計画(ケアプラン)の作成に関しては、全額保険より給付されます。

  1. 施設に入所した場合の居住費・食費は、原則として利用者負担になります。
  2. 1割負担が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻しされます。
  3. 所得の低い人は一般より1割負担の一定額を低く設定したり、施設入所の居住費・食費の負担を引き下げるなどの減額措置があります。
  4. 利用者負担の額が一定の基準を超えて高額になった場合には、「高額介護(居宅支援)サービス費」が支給されます。なお、医療費と介護費を合算して払い戻しが受けられる「高額医療・高額介護合算療養費」も設けられています。
  5. サービスの給付は、申請日以降に利用したサービスについて受けることができます。
  6. 本人と家族の希望をとり入れ、認定結果に応じた介護サービス計画(ケアプラン)を作成します。利用者が自分で作成することも可能です。

介護保険のサービスを利用するには要介護認定の申請を行います

要介護認定の申請

要介護度と介護サービスの例

要介護度 状態の例 受けられる介護サービスの例
(支給限度)
要支援1〜2 要介護状態ではないが、社会的支援を必要とする状態。失われた能力の回復の支援が必要な場合など。 介護予防・通所リハビリテーションなどを受ける。
要介護1 生活の一部について部分的介護を必要とする。入浴や衣服の着脱に一部介助が必要な場合など。 訪問介護や通所サービスなど、毎日なんらかのサービスを受ける。
要介護2 中度の介護を必要とする。歩行が自力でできない、金銭管理などの社会生活上の介助が必要な場合など。 週3回の通所サービスを含めて、毎日なんらかのサービスを受ける。
要介護3 重度の介護を必要とする。入浴・排せつ、衣服の着脱などに全介助が必要な場合、生年月日を忘れる場合など。 夜間(または早朝)の巡回型訪問看護を含め、週3回の訪問看護など毎日なんらかのサービスを受ける。
要介護4 最重度の介護を必要とする。入浴など日常生活全般にわたって介護が必要。野外への徘徊がある場合など。 夜間(または早朝)の巡回型訪問看護を含め、毎日2〜3回のサービスを利用する。
要介護5 過酷な介護を必要とする。日常生活全般にわたって全面的な介護が必要。意思の伝達ができない場合など。 早朝、夜間のホームヘルプサービスを含め、毎日3〜4回程度のサービスを利用する。
※要介護度に応じた支給限度額を超えるサービスを受けることもできますが、限度額を超えた分は全額自己負担になります。

介護サービス計画の例

自分で寝返りすることはできるが、食事・排せつ・衣服の着脱のいづれにも一部介助を必要とし、医学的管理を必要とするケースであって、虚弱な高齢配偶者と夫婦で生活している場合の一例です。

介護サービス計画の例
※このほか、訪問歯科指導、訪問服薬指導、福祉用具等のサービスが考えられます。

施設サービスの一覧

施設名 対象者の例 提供されるサービス
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
要介護状態ではないが、社会的支援を必要とする状態。失われた能力の回復の支援が必要な場合など。 介護予防・通所リハビリテーションなどを受ける。
介護老人保健施設
(老人保健施設)
病状の安定した人で、リハビリや看護・介護を必要とする高齢者など 看護・医学的管理下での介護・機能訓練・日常生活の世話
介護療養型医療施設
(療養型病床群など)
長期にわたり療養を必要とする患者や慢性的な老人性認知症患者など 療養上の管理・看護・医学的管理下での介護その他の世話・機能訓練・医療

在宅介護サービスの一覧

サービスの種類 サービスの内容
訪問介護
(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーによる、食事など日常生活の世話
訪問入浴介護 家庭を訪問しての巡回入浴車などによる入浴の介護
訪問看護 主治医の判断による、看護師などによる診療の補助
訪問リハビリテーション 専門家が家庭を訪問してのリハビリテーション
居宅療養管理指導 医師・歯科医師・薬剤師などによる訪問指導
通所介護(デイサービス) デイサービスセンターなどへ通い、食事介護や機能訓練を受ける
通所リハビリテーション
(医療機関でのデイケア)
老人保健施設などへ通い、心身機能の維持回復などのリハビリテーションを受ける
短期入所生活介護
(ショートステイ)
特別養護老人ホームなどに短期間入所し、日常生活の世話や機能訓練を受ける
短期入所療養介護
(ショートステイ)
治療の必要がある場合に介護療養型医療施設などに短期間入所し、医学的管理下で介護や治療を受ける
認知症対応型共同生活介護
(認知症高齢者グループホーム)
認知症のため介護を必要とする人が少人数の共同生活を営み、日常生活の介護や機能訓練を行う
特定施設入居者生活介護
(有料老人ホーム等)
有料老人ホームなどで行われる日常生活の世話や機能訓練、療養上の世話
福祉用具貸与 車いすやベッドなどの貸与
特定福祉用具の購入 入浴や排せつのための道具などの購入費の支給
住宅改修 手すりの取り付けなど小規模な住宅改修費の支給
ケアプラン作成 介護サービス計画の作成やサービス事業者との連絡
※上記のほかにも、夜間対応型訪問介護等の地域密着型サービスが用意されています。